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コラム第35回
【専門医が解説】口呼吸がダメな理由

[2024.11.18]

家でリラックスしている時、何かにとても集中している時、朝目覚めた時、無意識に口呼吸になっていることに気づくことはないですか?

実は口呼吸と鼻呼吸には大きな違いがあります。そして口呼吸には様々なデメリットがあることが研究で明らかになっているんです。

今回は口呼吸についてお話します。

 

口呼吸から起こるデメリット

 

口腔内への影響

口臭

むし歯

ドライマウス

歯周病

歯並びの乱れ

睡眠時無呼吸症候群、いびき

免疫力の低下

アレルギー性疾患(アトピー性皮膚炎、気管支喘息など)

膠原病(関節リウマチなどの、免疫の異常によって全身の結合組織に炎症が起こる病気)

自律神経の乱れ

動脈硬化

頭痛、めまい

疲れやすい、睡眠障害

不安を感じやすい

 

口呼吸と鼻呼吸の違い

 

生物学上、鼻は呼吸する役割、口は食べる役割として発達した器官です。

人間のみが口でも呼吸できる唯一の哺乳類と言われており、それは会話を円滑に行えるように、口からも空気の出し入れをしやすく進化したから、と言われています。

しかし、生物の器官としては別物であり性質上、口呼吸ではできないことも多いのです。

①鼻には口腔内よりも多くのリンパ組織が存在するので雑菌などへの防御能力が高い。

 

②鼻には三つの鼻甲介という空気の流れを調整する専用の器官がある。

空気の流れを一度循環させて、外から入ってくるウイルスやほこりなどの異物をブロックできるエアコンのフィルターのような器官があります。

また、取り込んだ冷たく乾燥した空気を温める効果もあります。

口から取り込んでしまうと、口腔内が乾燥し、唾液による抗菌作用が低下します。

 

 

口呼吸で起こる歯並びの乱れ

 

口呼吸により、顎や頬、舌周辺の筋力が低下し、歯の嚙み合わせが上手く出来なくなります。

また、歯列の外側からの圧力が弱まるため、外側からの圧力と舌からの圧力の均衡が崩れ、出っ歯等になりやすくなります。

特に成長途中のお子様は骨格形成への影響が大きくなります。

 

免疫力の低下

 

前述の鼻呼吸に比べ、免疫機能がうまく働かないため、風邪やウイルスに罹りやすくなります。

 

また、口周辺の筋肉が低下することで、睡眠時無呼吸やいびきなどの症状が引き起こされます。

睡眠の質が低下することでも、免疫力が低下します。

 

 

口呼吸になる原因と改善策

 

口呼吸になる原因は、現代食で柔らかいものを多く摂るようになった影響で、お口周りの筋肉量が低下したからと言われています。

また、メールなどの会話を介さずに連絡する手段が増えたことで、会話による筋肉運動が減少したことも挙げられます。

 

口呼吸は無意識で行っていることがほとんどですので、意識的に行動を変えていくことが大切です。

鼻呼吸へ変えていくための改善策としては

①食事の際は左右で均等になるようにゆっくりと時間をかけて噛む。

 

②睡眠の際は市販されているマウステープを使用する。

 

③ガムを噛む習慣をつけ、口周りの筋肉をトレーニングする。

 

④鼻炎や花粉症の症状をお持ちの方は治療を行う。

 

⑤歯並びや舌の位置のせいで口が閉じにくいと感じる方は歯医者さんに相談する。

 

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