コラム第34回
【専門医が解説】抗血栓薬を服用中でも抜歯治療はできる?
[2024.09.07]
抗血栓薬について
社会の高齢化に伴い、基礎疾患をお持ちの方も多くなってきました。
その中には、動脈硬化・不整脈などの循環器疾患のため、血液がサラサラになる抗血栓薬を服用中の方も多くいらっしゃるかと思います。
今回は、「抜歯などの歯科治療の際に抗血栓薬を飲むのをやめるべきなのか」についてお話します。
抗血栓薬は継続したままで歯科治療は行います
結論からお話しますと、日本循環器学会などの複数の学会が提唱したガイドラインにより、「抗血栓薬は継続したままでの治療が望ましい」とされています。
循環器疾患における抗凝固・抗血小板療法に関するガイドライン/2009年改訂版
以前は、抜歯治療などの際は血液がサラサラになる薬を止めるようお願いする時代もありました。
しかし、中止による血栓の形成や副作用のリスクを考慮して、現在は原則的に服用の継続をお願いしております。
決して自己判断で服用をストップしないようお願いいたします。
止血までの時間に少し時間がかかるかと思いますが、止血剤の使用などで対処いたしますのでご安心ください。
もちろん医科との連携が必要な患者さんもいらっしゃいますので、もし服用中の場合は必ず担当医にお知らせくださるようお願いいたします。