コラム第36回
【専門医が解説】もっとも身近で手ごろな詰め物「CR(コンポジットレジン)」のメリット
[2024.12.28]
コンポジットレジンって何?
コンポジットレジンとは、むし歯治療に最も多く使われている、セラミック粒子 とレジン(合成樹脂)を混ぜ合わせた白いプラスチックの詰め物のことです。
特殊な光を照射することで接着・硬化する性質があり、15~20秒程度の照射で完了するため短時間で治療を完了することができます。
以前は経年劣化しやすい性質だったため、銀などに比べ、日本ではあまり一般的ではない詰め物でしたが、近年では耐久性が上がったため、むし歯治療の第一選択肢として広く使われています。
どんなときに使うの?
比較的むし歯の進行が小さい治療に使われます。
むし歯治療はおおまかに分けて4つあります。
①CR | 比較的小さなむし歯の治療に用います。 |
②インレー | やや大きなむし歯で隣の歯と接している場合や、奥歯などの強い嚙み合わせの力が必要な場合に用いられます。 |
③抜髄 | むし歯の大きさが大きく、神経まで達している、もしくは神経が死んでしまっている場合は神経を抜く③抜髄か、最悪の場合は④抜歯治療の可能性があります。 |
④抜歯 |
CRはむし歯が進行して大きくなった場合には、基本的には使われません。
どんなメリットがあるの?
- 保険適用なので安全で、費用も少なく済みます。
- 短ければ30分程度の時間で治療が終わります。また、治療回数も基本的には1回で終わります。
- 天然歯に近い色合いなので、治療跡が目立ちにくいです。
- プラスチック樹脂製なので、金属アレルギーの方でも安心してお使いいただけます。
コンポジットレジンで気をつけることは?
経年劣化により変色が起きたり、表面に傷ができやすいです。
CRは金属やセラミックに比べて強度は低いため、すり減りやすい性質があります。
基本的に定期的な再治療が必要となる治療です。
また、前述の通り広範囲や、進行の進んだ大きなむし歯には適用できません。
CRは歯の削りを最低限にし、できるだけ温存するという観点では、非常に優れた治療法です。
できるだけ長くお使いいただけるように日常のメンテナンスや検診が大切ですね。