コラム第13回
歯周病が怖い、これって遺伝するの?専門医が解説②
今回は、前回に引き続き歯周病と遺伝の関係を、皆さまの気になるところを中心に、ていねいにお話ししていきますね。
歯周病は親から子供へうつるのか?
アンサー
歯周病が直接うつることはありません。しかし、生活環境や歯磨き習慣によって、同じ病気になりやすい傾向は見られます。
生活を共にするご家族から、調理や食事・睡眠・入浴などの日常生活のなかで、お子さんの口の中に元々いなかった細菌自体が移行する可能性はありますが、細菌がうつったからといって歯周病がうつるということではありません。
歯周ポケットがなければ基本的に歯周病にはなりませんので、ご家族に歯周病の方がいるのであれば、ご自身はしっかり歯みがきとプラークコントロールをして口腔内の健康を保つようにしましょう。
歯周病にかかりやすい人はいる?
アンサー
います 主な要因は「口の中の問題」と「全身的な問題」に分けられます。
お口のなかの問題
〇ブラッシングがしづらい歯並び
〇プラークが蓄積されやすい歯石
〇歯周病菌の種類
〇不適合な状態の詰め物やかぶせもの
〇口腔粘膜の形態 など
全身的な問題
〇喫煙・飲酒などの生活習慣
〇心理的社会的ストレスなどの社会的因子
〇糖尿病などの病気
〇遺伝的影響 など
上記のようにさまざまな要素が関わってきます。
これらの要素が関わることで、歯周病にかかりやすくなります。
歯周病にならないようにするには?
細菌の塊であるプラークが付着しないような口腔内の環境をつくることが一番大事です。
食べたら歯磨きを心がけましょう。
プラークの付着に関しては、食事の影響がほとんど全てと考えられます。プラークが固着して歯石になっていくまでには時間がありますので、食後にこまめに優しく歯みがきをすることがとても大事になります。
下記のコラムに詳しく書いてあります!
コラム第4回 ゴシゴシ歯を磨くのはダメ!?歯科専門医から提案
プラークの付きやすいポイントを知ろう
歯科医院を受診して、染め出し液などを使用して正しいブラッシング方法や補助器具(フロス・歯間ブラシ)の使い方を身につけましょう。
奥歯や、歯の間、歯ぐきの境目、噛み合わせのない歯の表面、入れ歯の支えになっている歯などは、プラークが特に付着しやすいため要注意です。
フロスや、歯間ブラシなどの補助器具を正しく使用しましょう。
歯石がついている場合や、すでに歯周病により深い歯周ポケットがある場合は、ブラッシング等だけでは限界があります。
下記のコラムに詳しく書いてあります!
コラム第6回 歯ブラシだけじゃダメ?専門医がオススメマウスケア用品を解説!
まとめ
非常にまれな疾患を除いて、歯周病自体が遺伝するということはありません。
多くの歯周病は、歯周病菌の塊であるプラークが付着する「生活習慣」が原因であることがほとんどです。
しかし、遺伝子的に歯周病になったときに、それが重症化しやすい傾向のある人は日本人の約30%にいます。そしてそれはあなたかもしれません。
歯周病に関しては、なる前の予防・生活習慣が重要です。特に上記に記載した病気をお持ちの患者様は、早めの予防対策、プラークコントロールを歯医者と一緒に行っていきましょう。