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コラム第27回
【専門医が解説】詰め物が取れてしまう原因とは

[2023.10.10]

詰め物や被せ物について

歯科治療では、進行したむし歯の治療において、歯を削ります。

その結果、むし歯の進行度合いによって治療後の歯の形状は大きく異なります。

 

 

削り取った部位が小さければ、詰め物(インレー)をつめます。

 

歯の大部分を削り取った場合は被せ物(クラウン)をかぶせます。

 

また、2本以上の歯が連続してない場合は、両側の残存歯を土台として橋がけるように人工歯(ブリッジ)を装着します。

 

これらの素材は、保険適用されるもの・されないもの含めて、様々な種類がございます。

細かな種類の説明は省かせていただきますが、プラスチック製、金属製、セラミック、金属の表面にセラミックを焼き付けたものなどがあります。

また、詰め物や被せ物は総称して補綴物と呼びます。

 

詰め物・被せ物の耐久年数

これらの詰め物・被せ物(以下補綴物)は、一生使い続けることができるわけではなく、耐用年数が限られております。

素材の違いにより耐用年数に差異はありますが、一般的に耐用年数の目安は下記の通りです。

プラスチックの詰め物 約5年
金属の詰め物 約5年
セラミックの詰め物 約10年
プラスチックの被せ物 約5年
金属の被せ物 約7年
セラミックの被せ物 約10年
ブリッジ 約8年

一般的には保険適用の素材よりも自費診療で取り扱う素材の方が耐用年数が長いとされています。

しかし、保険適用の素材であっても日常のメンテナンス次第で10年以上使用することも可能です。

 

詰め物が外れる原因

できるだけ長く使用したい補綴物ですが、治療後のいくつかの要因によって残念ながら外れてしまうことがあります。

要因としましては以下の原因が考えられます。

 

歯の噛み合わせの不均衡

年月とともにかみ合わせが少しずつ変化すると、治療部位にかかる力が変化し、外れる要因となります。

また、歯の本数が減ることでも、残った歯にかかる力は大きくなります。

 

口腔衛生の不足と詰め物周りのケア

補綴物との歯間からむし歯の原因となる菌が入り込んで、二次むし歯(二次カリエス)となる場合があります。

歯と補綴物との間はどんなに慎重に調整してもごくわずかな隙間が生じてしまいます。この隙間は非常にむし歯が進行しやすい部分です。

 

詰め物や接着剤の耐久性

前項の通り、補綴物にはそもそもの耐久年数があり、唾液などによって少しずつ経年劣化していきます。

また、補綴物だけではなく接着剤も劣化するため、それが原因で外れたり、隙間が発生しプラーク(歯の汚れ)が溜まる原因となる場合もあります。

 

歯ぎしりや食いしばり

歯ぎしりや食いしばりも補綴物が外れる要因になります。特に奥歯は歯にかかる力がとても大きくなるため、他の部位よりも外れやすいです。

これらは強い力が補綴物にかかるだけでなく、歯ぎしりそのものが歯周病を悪化させ、歯質を傷つける原因となります。

 

不適切な詰め物

補綴物が取れた場合、新たに補綴物を作成せず、再装着のみをご希望される場合も多くあります。しかし、前述の要因などで、そもそも現在の歯の形状にあっていない場合、すぐに取れてしまう原因となります。

 

詰め物が取れてしまった時の対処法

詰め物や被せ物が取れてしまったら、早めにクリニックを受診しましょう。

補綴物が外れた部位は、歯質を削っているので歯の神経に近く、またむし歯が発生しやすい箇所だからです。

 

取れてしまった詰め物や被せ物は、ビニール袋などに入れてご持参ください。再装着できる可能性があります。

再装着は補綴物や歯の状態によっては、再装着ができず、再作成となる場合もございます。補綴物の調整はほんのわずかな欠けや摩耗によって、安定した装着が難しくなるためです。

補綴物が取れてしまった場合は、ご自身で判断せず、まずはお気軽に担当医にご相談ください。

 

長く使用していただくためのポイント

詰め物や被せ物を長く使っていただくためには、前述で説明させていただいた「外れてしまう原因」をできるだけ避けるように気を付けることです。

原因で最も気をつけなければいけないのは、二次むし歯です。

補綴物の調整は非常に繊細に行われますが、補綴物と歯質の段差やごくわずかな隙間は生まれてしまいます。

その隙間からプラーク(歯垢)がたまり、二次むし歯が発生してしまうのです。

恐ろしいのは、補綴物の歯質にむし歯が進行した場合、その進行に気づくことなく、神経まで到達してしまいます。

その結果、詰め物で治療した歯をさらに削ることになり、最終的には抜歯に至ることもあります。

 

補綴治療をした歯はむし歯になりにくくなっているわけではないため、日常の歯磨き等のセルフケアは非常に大切です。

また、補綴物との隙間が生まれていないか、定期的にクリニックにて専門医の診断を受けることも有効でしょう。

 

その他、歯ぎしりの癖のある方はマウスピースの装着を検討しましょう。

セラミックなどの強度の高い素材を選ぶことも選択肢となります。セラミックは表面が滑らかで汚れが付きにくいという特徴もあります。

まとめ

近年では保険適用範囲内でも、天然歯の見た目に近い補綴物も増え、治療後の見た目もきれいにすることができ、昔より補綴物への抵抗なく治療を受けられる方も増えています。

一方で、治療した歯だからむし歯にはなりにくいのでは、という誤解をお持ちの方も多い印象です。

以前治療した歯がご心配の方は、ぜひ一度検診をうけていただくことをオススメします。

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