コラム第26回
【専門医が解説】むし歯がある場合でもホワイトニングを受けられるのか
むし歯や歯周病の方でも、ホワイトニングを優先して受けられますか?
このような質問を稀にいただくことがあります。
原則として、むし歯や歯周病の方がホワイトニングを優先して受けることはできません。
まず患部を治療してから、ホワイトニングを受けていただくことになります。
理由としまして
①審美治療より病気の治療が優先されること
②ホワイトニングの薬剤が染みることによって知覚過敏による痛みが起こる可能性があること
③ホワイトニング後に治療を行った場合、詰め物の接着がホワイトニング材によって阻害される可能性があること |
以上の理由から、治療よりもホワイトニングを優先することは難しいのです。
とはいえ、結婚式を控えているなど、どうしてもホワイトニングを優先してほしいという状況もあるかと思います。
下記にて、例外的にホワイトニングを受けられるケースについてお話します。
むし歯や歯周病の方でもホワイトニングを受けられるケース
担当医の判断によっては、治療前でもホワイトニング受けられる可能性があります。
①むし歯や歯周病が初期段階で、ホワイトニングによる影響がないと判断された場合
②奥歯にむし歯があり、前歯のみホワイトニングする場合で、後の治療に影響が出ないと判断された場合 |
どちらも医師の判断によるものなので、患者様のご意思にそぐわない場合もあります。
お悩みの方はぜひ一度、担当医にご相談ください。
その他のホワイトニングを受けられない条件の方
虫歯や歯周病の方は治療し、口内環境が正常化すれば、ホワイトニングを受けることができます。
しかし、そもそも口内環境に関わらずホワイトニングを受けることができない方もいらっしゃいます。
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ホワイトニングの薬剤が人体に与える影響ははっきりと解明されていません。
よって妊娠中のお子さんや成長期の方への影響がないとは言い切れないのです。
そのため、妊娠中の方や成長期の方は、基本的にホワイトニングを避けるべきと言われています。
また、無色タラーゼ症の方は、薬剤に含まれる過酸化水素を分解できないため、受けることができません。
そもそもホワイトニングで白くできない歯もあります
ホワイトニングの性質上、白くならない状態の歯もあります。
- 神経を失って黒く変色している歯
- 入れ歯や詰め物などの人工物
- テトラサイクリンによって変色した歯 ※テトラサイクリンとは細菌感染症に使われていた抗生物質です。
これらは、セラミックにするなどの別の方法で天然歯の白さに近づけることができます。