コラム第6回
歯ブラシだけじゃダメ?専門医がオススメマウスケア用品を解説!
歯周病の治療における一番重要なことはプラークコントロール(歯石を除去し、プラークのつかないハミガキ習慣をつけること)なので、ブラッシング指導の際に、磨き残しをご指摘させて頂くことがあります。
それでは、どのような部位が磨き残しやすいのでしょうか。
実は磨き残しの多い部分
〇歯と歯の間(歯間部)
〇歯の内側の面
〇一番奥に生えてる歯の奥側の面
〇歯周病などにより歯ぐきが下がったことで露出してしまった歯根の表面
〇歯と歯ぐきの境目など
一般的に上記のような箇所は、上手にハミガキをされている方でも磨き残しが多く見受けられます。特に歯周病により歯ぐきが下がり、歯と歯ぐきの境目の高さが違うところや、歯根が露出しているところなどは、磨きづらいだけではなくもともと歯肉の炎症が存在しやすい部分なので注意が必要です。
そこで、今回は歯ブラシだけでは十分にとれない磨き残しを重点的に清掃することや、簡単に清掃効果を高めることが可能な補助清掃器具についてお話しさせていただきます。
清掃部位とマウスケア用品の選択肢
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歯間部
・タフトブラシ
・デンタルフロス
・ガーゼテープ
・歯間ブラシ
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歯並びの悪いところ・矯正装置の周囲
・タフトブラシ
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歯と歯茎の境目
・タフトブラシ
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一番奥に生えてる歯の奥側の面
・タフトブラシ
・デンタルフロス・デンタルテープ
・歯間ブラシ
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舌
・舌ブラシ
・舌へら
※要介護者の口腔清掃には
・頬粘膜清掃用具:スポンジブラシなど
・舌清掃用具:舌ブラシ・舌へら
・吸引機能付き歯ブラシ
マウスケア用品解説
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タフトブラシ
タフトブラシは、1つの毛束でできたブラシ、または小さないくつかの毛束が集合した状態のブラシのことをいいます。一番奥にある歯の奥の面や、矯正装置や被せ物の周り、歯並びの悪いところなど歯ブラシでは磨きづらい場所、全般に使用できます。
様々な部位に活躍しますが、すこし操作に慣れが必要で、やや太いため、歯間部の狭いところには入らない場合もあります。
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デンタルフロス
デンタルフロスは、歯間(歯と歯の間)や歯肉溝内(歯と歯ぐきの間の溝)のプラークの除去、歯と歯の間の虫歯や歯石の有無の診査、歯と歯の接触圧の診査にも用いられます。
一般的にはナイロン糸でできており、ワックスタイプとアンワックスタイプのものがありますが、プラークの除去効果に違いはありません。
使用方法は、30~40㎝の長さにフロスを切って、両手の中指にフロスを数回巻いて固定し、人差し指と親指で糸を掴みます。また、両指で掴んだ糸の長さは、3~5㎝ぐらいにします。それから、一方の手を口の中に入れ、フロスを歯の接触しているところまで通してから、ノコギリを引くようにゆっくり挿入していきます。
あまり、強くフロスを押し込むと、歯ぐきが傷ついてしまいますので、注意が必要です。
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歯間ブラシ
歯と歯が接触しているところから、歯ぐきまでの隙間に挿入して、歯間部(歯と歯の間)のプラークを除去する清掃器具です。デンタルフロスよりも、歯周病などにより歯ぐきがさがってしまい、歯と歯の間が広くなってしまっている場所に適しています。一般的にブラシ部分は円錐型で、大きさは数種類ありますから、ご自身の歯間部の大きさに合わせたものを使用しましょう。サイズの合ったものを使用しないと、あまり清掃効果が得られなかったり、歯ぐきを傷つける原因になります。
まとめ
虫歯や歯周病の予防や治療において、プラークの除去はとても大切です。しかし、歯ブラシだけでは全てのプラークを除去することは難しいです。そういった磨き残しをなくすには、デンタルフロスなどの清掃補助器具は欠かせません。
もちろん、人それぞれ、お口の中の状況は違いますから、適切な器具の使用が重要になります。もし疑問や不安があるようでしたら、ぜひご相談くださいね。