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コラム第7回
歯周病治療ってなに?治療の流れを専門医が解説!①

[2021.05.17]

歯周病ってなに

虫歯とは違う「歯周病」という病気はご存じでしょうか?

海外ではSilent Disease(サイレントディジーズ)=「沈黙の病気」ともいわれ、目立った症状がないまま進行する病気です。発見しづらい歯周病は、日本でも成人の約8割が歯周病の感染者、あるいは予備軍といわれており、もはや「国民病」となっています。

 

この歯周病治療、受けたことがある方はご存じだと思いますが、実は歯周病の本格的な治療はその日に終わりません。重度の場合には1年がかりで治療を行う場合もあります。

「歯を削って終わり」

「歯を抜いて終わり」

のように簡単にはいかないのが歯周病です。

 

歯周病は口腔内の健康だけでなく全身の健康も脅かすことがあるので、その治療がどのように行われるか皆さんに知っていただきたいと思います。

 

歯周病治療はなんで時間がかかりやすい?

歯周病の治療は、「プラークや歯石を取り除くこと」が一番要の内容になります。

 

治療が長引く理由①歯石や歯肉の環境が悪い

治療が長引く理由①歯石や歯肉の環境が悪い

口腔内の状態は様々です。歯科での治療が久しぶりでプラークや歯石のついている量が多ければ多いほど、またその影響で周りの骨や歯ぐき(歯肉)の環境が悪くなっているほど、歯周病は進行していることが多く、そのぶん治療回数や期間は増加します。

 

治療が長引く理由②歯周病を悪化させる持病・生活習慣

さらに、「喫煙」「糖尿病」「歯磨き習慣」など他にもいろいろな因子が歯周病の進行に関与しております。(今後のコラムでもこの辺りを詳しく解説します)

患者さん一人ひとり状況が違うため、治療内容や期間にも差が出てしまうのですね。

 

なんで歯周病治療では頻繁に検査をするの?

歯周病の治療をする際には、レントゲン写真の撮影や歯ぐきの検査などいくつもの検査を行います。また治療前はともかく治療中、そして治療終了時と何回も検査を行うことがあると思われます、これを「再評価」と呼んでいます。

 再評価検査で行うこと

〇歯周ポケットの深さのチェック

〇歯の揺れ(動揺性)のチェック
〇歯ぐきからの出血の有無
〇プラークコントロール(日常での歯ブラシ)の状態
〇被せ物の状態の変化のチェック
〇仮歯の修正
〇レントゲン
〇口腔内写真

 

歯周病治療の基本的の流れは皆さん同じですが、患者さんによって必要な治療の内容はもちろん異なります。歯周病の原因においても例えばプラークコントロール不良であったり、歯列不正であったり、咬み合わせなど、人によって異なっています。また重症度や歯周病の広がり方も患者さんによって異なります。

また、同じような病気に対して同じ条件で治療を行っても、患者さんが違えば治り具合も異なることがあります。

 

通常はこういった再評価を、中等度以上の歯周病であれば平均3回以上行います。

このように再評価なくしては、私たち歯医者は次のステップに進めないのです。実際の診療では、このような治療評価に関してしっかりお話ししていますので、ご理解いただければ幸いです。

 

次回は、歯周病治療の流れを、重症度別に分けてご説明いたします。お楽しみに。

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