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コラム第33回
【専門医が解説】むし歯になりやすい場所には要注意!

[2024.08.17]

むし歯について

今回はむし歯のできやすい場所についてお話します。

その前に、むし歯の原因ついて簡単に振り返りましょう。

むし歯は4つの要因が重なった場合に非常にリスクが高まります。

「口内環境」「糖」「時間」「むし歯菌」の4つです。

 

【むし歯菌】

人間の口の中には誰しもむし歯菌が常在しています。むし歯菌をなくすことはできませんが、非酸性下の環境だと活動が緩やかになります。

【時間】

むし歯はむし歯菌が酸を出して歯の表面を溶かすことで起こります。

酸を出すのは3~5分程と短時間です。

また、食後6時間程経過するとプラークという細菌が集まった層ができ、強固に歯にくっつこうとします。

こうなると歯磨きでも除去しづらい状態となってしまいます。

【糖分】

そのむし歯菌が好むのが糖分です。特にキャラメルや飴などベタベタとして歯につきやすく、長時間口の中に含んで味わうお菓子はむし歯になりやすいです。

【口内環境】

同じ食生活でもむし歯のなりやすさには個人差があります。

それは口内環境の違いです。

例えば唾液には、歯の汚れを落としたり、歯の「再石灰化」により歯を修復、また口内を中性に保つ働きがあるため、唾液が多く分泌される人はそうでない人に比べてむし歯になりにくいと言えます。

 

 

むし歯のできやすい場所について

 

奥歯の噛み合わせ面、親知らずと奥歯の間

この部分は、食べ物を噛む際に多く触れるため、食べかすや細菌が溜まりやすくなります。

また、奥歯は溝やくぼみが深いことから、ブラッシングが十分に行われないことが多く、むし歯のリスクが高まります。

また、親知らずが手前の奥歯を押し出すように生えている場合、奥歯と親知らずの間にむし歯ができるケースもあります。

子どものむし歯の多くは奥歯の溝から発生しているというデータもあります。

 

歯と歯の間

この部分も歯ブラシが届きにくいため、歯垢や食べかすが残りやすくなります。

特に、歯と歯の間の隙間が狭い場合や歯並びが前後に重なっている場合、むし歯のリスクがさらに高まります。

歯の間にむし歯ができると両方の歯にむし歯ができることが多く、注意が必要です。

 

歯の根元

特に歯茎が下がっている場合、歯の根元が露出し、そこに細菌が付着しやすくなります。

この部分はエナメル質が薄いため、むし歯が進行しやすいのが特徴です。

歯周病が進行している大人にできやすいむし歯と言えます。

 

詰め物や被せ物、矯正器具の周辺

これらの場所は、食べかすや歯垢が溜まりやすく、また、清掃が難しいため、むし歯のリスクが高まります。

特に、詰め物や被せ物の周辺は、経年劣化により接着部分に微細な隙間が生じやすく、そこに細菌が入り込みやすくなります。

神経を抜いてしまっている歯は、痛みを感じにくいため、気づかないままかなり奥までむし歯が進行してしまっている場合もあるため注意が必要です。

 

歯の裏側

自分で見えない部分のため、ブラッシングの際に見逃されがちです。また、奥歯の裏側は特に大きめのブラシが届きにくくケアが難しい場所です。

また、上顎の前歯の裏側も、唾液腺から離れているため乾燥しやすく、その結果として歯垢が溜まりやすくなります。

 

 

むし歯を予防するには

むし歯を予防するためには冒頭にお話しした通り、むし歯になる4つの要因をできるだけ排除することが最も大切です。

 

こまめに間食をしてしまう方は、糖を口にだらだらと長時間含まないように、おやつは短時間で済ませるように。

歯磨きは食後できるだけ早くに行うのが重要です。どうしても歯磨きできない場合はマウスウォッシュでお口をゆすぎましょう。

歯ブラシは柔らかいもので奥歯に届きやすいようにヘッドの小さなものを選びましょう。

前項のむし歯になりやすい箇所に注意しながらケアをします。磨きにくい歯の隙間はデンタルフロスや歯間ブラシを一日一回使用しましょう。

日ごろから歯科医院で定期的に歯のメンテナンスを受けましょう。プロの歯科医師や歯科衛生士からの確認も非常に大切です。

 

 

もし歯科医院にお越しの際は、ご自身の歯磨きで磨き残しが多い部分を把握していただき、お家での口腔ケアをスキルアップしていきましょう。ぜひお気軽にご相談くださいね。

↓奥歯の溝を封鎖してむし歯になりにくくするシーラント治療もあります。

 

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