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コラム第9回
歯周病の原因って?専門医が解説!①

[2021.05.31]

 

はじめに

第7、8回のコラムでもお話ししましたが、歯周病は「なかなか治りにくい」病気であり、「治ってもすぐ復活してくる」病気でもある非常にやっかいな病気です。

この歯周病、原因や予防対策がわかれば、安心ですよね。今回は、歯周病の原因を掘り下げて解説いたします。

 

歯周病の原因菌

虫歯も歯周病も、細菌によって発症します。 その細菌は、歯の表面についた汚れ(歯垢、プラーク)の中にいます。

 

歯周病の原因となる細菌(病原菌)

 

〇Actinobacillus actinomycetemcomitans (A.a.菌)
〇Porphyromonas gingivalis (P.g.菌)

…など、多くの種類の菌が明らかになっています。

 

虫歯の原因となる細菌(病原菌)

 

〇Streptococcus mutans (ミュータンス菌)
〇Lactobacillus (ラクトバチルス菌)

…などが明らかになっています。

 

このように同じ口の中にある細菌でも、歯周病の病原菌と虫歯の病原菌は異なります

 

つまり、歯周病と虫歯では原因が違うので、虫歯に全くなったことがないからといって、歯周病を発症しないというわけではないのです。

 

 

歯周病になりやすい生活習慣

歯周病になりやすい生活習慣

歯周病はだれでもなりうる病気ですが、実はいくつかの生活習慣が悪影響を与えることがわかっています。

 

毎食後歯ブラシをしない

食後歯ブラシをしないと歯の表面に歯垢(プラーク)という汚れが付着します。プラークには歯周病菌があつまり、放置していると歯石が形成されてプラークや歯周病菌がしつこくこびりつくようになります。その結果として、普段の歯ブラシでは除去できなくなります。

そのような状況ならば、まずは歯科医院で歯石を除去する(クリーニング、ルートプレーニング)ことをお勧めします。

 

よく噛まずに食べる

咀嚼(=しっかり嚙んで食べる)には、清浄作用がある唾液の分泌を促す作用があります。よく噛まずに食べる人は唾液の分泌が少なくなり、口腔内が乾燥して細菌が繁殖しやすくなります

 

たばこを吸っている

タバコの煙を吸い込むと同時に、口の中の粘膜や歯肉に有害物質(ニコチンなど)が吸収されます。また免疫の機能が低下するため、歯周病感染初期に症状が現れにくくなり、重症化を促します。

また、タバコを吸うと末梢血管の収縮が起こるので歯肉の血流量が減少し、酸素や栄養素が身体全体に行き渡らない状態となります。生活習慣病と同様、必要な量の酸素や栄養分が細胞へ満たされなければ歯周組織が健康を保てるはずがありません。

特にヘビースモーカーは、常に末梢血管が収縮しているので、高いリスクファクターを持っているといえます。これらにより、歯周病リスクが高まると考えられています。

 

ではなってしまった歯周病を、簡単にクスリで治すことは可能なのでしょうか?

次回のコラムではそこからお話ししていきましょう。

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