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コラム第8回
歯周病治療ってなに?治療の流れを専門医が解説!②

[2021.05.24]

 

今回は、歯周病治療の流れを詳しくご説明いたします。

歯周病治療の流れ

まずは歯周病の進行度を、「軽度」「中等度」「重度」の3段階に分けて、治療の大まかな流れをご説明します。

 

軽度の歯周病の治療

 

軽度の歯周病の状態

歯周ポケット(歯と歯ぐきの間)にプラークや歯石が付着している状態です。 そのままで放置していると、次第に周りの歯ぐきが赤くぷくっと腫れ、歯磨きなどで出血しやすくなっています。

 

主な治療内容
〇スケーリング・ルートプレーニング

歯周ポケット内に専用の器具を入れ、プラーク(歯垢)や歯石を取り除きます。

 

〇ブラッシング指導

 

治療の流れ

歯ぐきの検査

→歯石除去、クリーニング

→1か月以内での予防メンテナンス

 

中等度歯周病の治療

中等度歯周病の状態

汚れた歯と腫れた歯ぐきの間に歯石がたまっていくにつれて、歯から歯ぐきがはがれてきます。(歯周ポケットが広くなる)

そしてその下にある歯を支えるための靭帯にも炎症が及ぶことで、土台となるあごの骨(歯槽骨)も徐々に吸収され溶けていきます。そのため歯のぐらつきを感じる場合があります。

そのころには、歯ぐきの色は暗赤色(正常ではピンク色)になっており、歯ぐきが腫れているため歯と歯の間に食べ物が詰まりやすくなっています。

痛みはあまり感じず、歯ぐきの違和感を感じる程度ですが、この頃になると口臭が出てきます。(腐ったようなすっぱいにおい

 

主な治療内容

歯ぐきから、歯の深い部分まで徹底的にスケーリング・ルートプレーニングで歯石を除去し、歯肉の感染を発見治療します。

 

治療の流れ

歯ぐきの検査

→歯周ポケット浅い部分の歯石除去、クリーニング

→歯ぐきの再検査

→歯ぐきの深い場所の歯石除去、クリーニング、感染治療

→再検査

→(治癒が認められたら)3か月~1年程度の定期的メンテナンス、予防治療

 

※治療に改善のない方に関しては

「改良型ウィッドマンフラップ手術」

歯周ポケットの奥に歯石が溜まっている場合に行う外科的処置です。歯ぐきを切開し、歯周ポケットの奥や歯根に付着した汚れを医師が直視で確認しながら徹底的に除去します。

 

重度歯周病の治療

重度歯周病の状態

炎症がさらに進み、顎の骨の大部分が溶けた状態です。口臭がきつくなり、歯ぐきが退縮して歯のグラつきが悪化します。治療をせずに放置すると、歯が抜け落ちることがあります。

 

歯がぐらぐらしてくると、強く咬むことができなくなり、歯並びも変わってくるため、歯が長くなったような、あるいは出っ歯になったような感じがしてきます。高齢者で介護をうけているような方は、自覚する症状が鈍くなっていることがあります。家族の方で、このような変化を感じる際には、速やかに歯医者でのご相談をお願いいたします。

 

主な治療内容

歯ぐきより下の深い歯石を取って歯肉や歯の感染、炎症を十分改善したのちに、それでも取り切れない病気の部分を手術で除去していきます。

 

治療の流れ

歯ぐきの検査

→歯石除去、クリーニング

→歯ぐきの再検査

→歯ぐきの深い場所の歯石除去

→歯ぐきやあごの骨の再検査

→手術などの口腔外科の治療(あごの骨の再生手術など)

→歯ぐきやあごの骨・口腔全体の再検査

→(治癒が認められたら)1年以上の定期的メンテナンス、予防治療

 

※歯ぐき・骨の再生手術

GTR法、エムドゲイン法、Gem21、歯肉弁根尖側移動術、リグロス法など

特に、近年出てきたリグロスという歯周組織再生剤を用いた再生手術は、その有効性が高く評価されております。

これらの重度歯周病に対する手術の材料は自費診療となってしまいますが、当院ではその有効性にいち早く着目し導入しておりますので、ご安心して治療に臨まれてください。

 

 

 

歯周病治療にはどうしてこんなに回数がかかるのか

まず最初に、歯周病は簡単に治る軽い病気ではないということを知ることが大事です。

 

歯周病は、

〇「その人の人生の長い年月の中で培われた病気」であり
〇「なかなか治りにくい」病気であり
〇「治ってもすぐ復活してくる」病気なのです。

つまり、口の中に歯がある人は、常に歯周病にならないように予防しながら管理していく必要があります。

例えばおなかの病気では、内科の先生が診察をします。その時にまずは薬などで応急処置をして、その後は軽い処置から身体の反応を見ながら治療を行い、何度も様子を見ながら検査をして、最終的に手術になることもあるでしょう。 手術後は、また再発しないように定期的に検査をしながら、管理していきますよね。

 

歯周病も、流れは同じです。

それぞれ患者さんのカラダの反応(歯ぐきや歯の反応)を見ながら、それに合わせた治療が必要な病気であり、歯周病の状態が進行していれば進行しているほど何度も治療や検査が必要となり、歯ぐきの手術が必要になる場合もあります。

つまり、「歯周病の治療なので何回で終わり」と決まっているわけではありません。歯ぐきの検査の結果により治療回数や治療内容が決定されるため、患者さんごとに異なった内容になってしまうのですね。

それでも、健友会グループでは極力今後の治療内容や治療期間の目安をお示しするように努めています。いつでもご相談くださいね。

 

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